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「ハハハハハ、マジか?優人。マジでやっちゃったの?」
結構ツボに入った健太、こうなったら暫くは収まらない。
話しが進まないとばかりに由利香が話を続ける。
「まぁこれを見たら貴方ならやりそうな事だけど……でさぁ、ここに書かれてる事って事実なの?」
右手で頬杖を突き顔を傾け聞いてくる由利香、またそういうポーズを取るとファンが増えるぞ。
「これはこの前の放送に大袈裟に話を盛っただけだ。事実とは違うな」
飯をソコソコに切り上げてお茶を飲みながら由利香に話すが隣でまだ笑ってる健太に向かって
「もういい加減笑うの止めたら健太?優人も呆れてるわよ」
笑顔なんだが威圧感半端ネェ……流石は由利香だ。健太の扱い方を良くわかってらっしゃる。
「お、おぅ。久し振りに爆笑ってか。で?優人の言う事実と違うってどう違うんだよ?」
おいおい、あんだけ笑ってて話しはしっかりと聞いてたんかい。
ある意味凄いなお前。
「ちょっと長くなるが大丈夫か?」
そう問い掛けると
「「大丈夫だ、問題ない」」
軽くサムズアップしてハモる二人に
「ネタかますんじゃねぇーー」
ーーーーーーーー回想ーーーーーーーーーーーーー
あれは一ヶ月前の夜の事
食事と風呂を済ませリビングでTVを見て寛いでいた時だった。
塾が終わって帰宅した妹の真由(高校3年)は俺の目の前に一通の封書を見せる。
「お兄ちゃん宛になんか来てたよ。」
それは叔父が勤めるTV局から………
「叔父さんから?手紙よりメールや電話の方が早いだろうに」
「そんなの私に解る訳無いじゃん」と言った後にふと考え込む真由は
「あー、思い出したー」
真由がデカい声を上げたと同時に台所から母親の叫び声と一緒に何か割れる音が響いた。
「いきなり叫ぶなよ真由。んで、何思い出したんだ?」
「GWの時に叔父さん遊びに来たでしょ」
「あぁ、確かにそんなに長居はしなかったけど」
「その時にTV局見学させてやるから遊びに来ないか?って言ってたはずだけど……お兄ちゃん覚えてないの?」
真由との会話のやり取りでぼんやりとではあるが記憶が甦りつつあった。
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