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私立小に通う娘は、学校の授業が終わった後で英語と体操を習っている。
だから、ランチが終わり、他のママ達がお迎えに行く時間になっても、私は、ゆったりとお茶や買い物を楽しめる。
都心の店は入れ替わりが激しく、老舗が立ち並ぶ通りに海外や国内ブランドの廉価版、カラオケやネットカフェも目立つ。
時間がある時は、買い物をしたり、めぼしい物が無い時は一人でネットカフェに行く。
最近のネカフェは少し前のオタクの巣窟と言った感じでは無く、高級感を売りにしていて清潔だ。
女性専用ラウンジもあるので、不快な思いをする事は無い。
私は使った事は無いがシャワーの設備もある。
ママ友達とのランチは楽しいけれども、やはり何処かで気を使っているのだろうか、ネカフェのソファに座ると、ホッとして自然な自分に還る気持ちになる。
ドリンクバーからコーヒーを持ってきて、席につくと、する事はだいたい決まっている。
備え付けのパソコンから「ランチの女王」サイトにアクセスするのだ。
慣れた操作でマウスを持つ手もスムーズに動く。
次は、どんなレストランにしようか、チェックして見る。
それから、いつも秀幸の店のページに進むのだ。
さて、何て口コミを書こうか、評価を表す星の数は、今日はちょっとオマケしてあげよう。
星三つにした後で、レビュー本文を書き始める。
「これで二回目の来店です。最初に伺った時は美味しいと思ったのですが、今回はう~ん…
パスタは何だか塩辛くて少し冷めてました。どうしたのだろう、シェフが替られたのかな??」
私は秀幸のイタリアンレストランに一度も行った事は無い。
それどころか、大学卒業以来顔を合わせた事は無く、秀幸の近況はもっぱら由美からの情報だ。
でも、「ランチの女王」サイトに紹介された店内や料理の写真で、自分が何回も足を運んだ常連客に思えて来る。
秀幸の店の写真は飽きるほど見たので、すみずみのインテリアまで詳細に記憶している。
彼の店のページに行くと、本当に自分が見て来たような言葉がスラスラ書けるのだ。
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