プロローグ

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プロローグ

気がつくと、薄暗い海の中だった。 仰向けのまま海の底の闇に吸い込まれている。 慌ててもがくと、左胸部一面に激痛が走った。痛みで手足がいうことをきかず上手く水が掻けない。 衣服が思う存分に水を吸いこみ、沈むスピードが増してきた。 これは、かなりまずい状況と言える。 10㍍は沈んだだろうか。体内から流れ出る血液が泡と一緒になって道標のように海面まで続いて見える。 傷口にそっと触れてみる。 どうやら、弾丸は心臓と肩の間を貫いたようだ。 なぜ、確実に仕留めなかった? あの時の俺は何の警戒心もなく、お前に背中を向けていたのだから。それに、お前の腕なら心臓を撃ち抜くことなどいとも容易かったはずた。 そもそも頭を吹き飛ばされていたら、こんな事を考える暇も無く、楽になれたはずだったのに。 俺もお前も。 俺を生かしてしまったからには、女とは言え、楽に死ねると思うなよ‥‥ フレイア・シャノアール!!!
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