音色に恋して2

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(そう簡単に教えてやるかっつーの)  レッスン室から出た加嶋。  その先にいるのは、どこか不安げな顔をした可愛い可愛い後輩で。  加嶋はそれを気にすることなく通り過ぎ―――― 「またラーメン食いに行こうぜ!」  ――――振り返って後輩の背中をバシっと叩いて笑えば。 「っ!!はい!」  後輩もまた、笑顔を見せてくれる。  そして彼は安心したようにレッスン室へ入って行くから、 (これで、よかったんだよな!)  そう苦笑したのだった。  聞こえてくるのはトランペットの音。  どこで練習しているのか、それは穹乃音楽大学の七不思議になっていて。  その七不思議を解決するのは加嶋であり、そしてそれは今日から数日後になるなんて。  誰も知る由もなかった。  (―――continue?) END
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