転生と脱走

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生まれて初めて見た世界は─── 「うわぁ・・・」 ───眩しく光り輝いていた。 数時間前。 俺こと羽島徹(はじまとおる)は、気づくと宇宙のような空間にいた。 何だここ。 そう思っていると黒い霧のようなものが目の前に集まりだして人型が出来た。 『やあ、初めましぶふっ』 「何だこの真っ黒い霧の固まり」 バッサバッサと手で霧を蹴散らせさせながらソイツを見つめる。 『あの、ちょっやめ』 「面白いな。払ったらすぐに集まる」 『話っ大事な話があるからっ』 「さいですかー」 霧の塊の言葉を無視して俺は手で霧を蹴散らす。 『もういいよ。分かった。我慢するからそのまま聞いて』 霧の塊が諦めたので、諦観した霧の塊を蹴散らしながら話を聞く事にした。 『こんなアグレッシブな人初めてだよ・・・』 「さいですかー」 『えーと、羽島徹さん。貴方は死にました』 「さいですかー・・・え?」 いきなり爆弾発言を食らった。 「し、死因は?」 『急性硬膜下血腫だよ』 「マジか」 『マジ』 「・・・・・ふんっ!」 『ギャアアアア!?』 霧の塊に全身ダイブをかまして散り散りにするという八つ当たりをして気持ちを落ち着かせる。 「それで俺に何の用だよ」 『て、転生をと・・・次の生は異世界になるから、好きな種族に転生出来るから決めてくれたら幸いかなーって・・・どうかな』 「転生ねぇ。もしかしてあれか。お前のミスで死んだとかだったら吸うぞ」 『ないない!転生させるのも輪廻転生と言ってね。どんな生物でも死んだら転生させる決まりなんだよ!』 なるほど・・・。 つまりはこういう運命でしたっていう訳か。 「どんな種族でもいいんだな?」 『え。うん。流石に神は無理だけど・・・』 「じゃあドラゴンだけじゃなくて色々な魔物の力を持った種族に転生させてくれよ」 『えーと』 霧の塊がどこからともなく本を取り出してパラパラと捲るととあるページで止まる。 『あ、ちょうどいいのがある』 「じゃあそれでいい」 『え?あー、うん』 なんか妙に歯切れが悪いな。 そう思っていると霧の塊は次の話題に移る。
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