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『じゃあ次にギフトについて説明するね』
「ギフト?」
『簡単に言えば特殊能力だね。キミが行く世界では「神様からの贈り物」って言われてるから「ギフト」だよ。これに関してはランダムだから、運がいいと強いのを貰えるかもね』
「ふーん。まぁランダムならいいや。俺が行く世界ってのはどんなのなんだ?」
『再び生まれ落ちるんだから知識云々はファイト!』
「・・・・」
サムズアップする霧の塊がムカついたので手で霧を蹴散らす。
バッサバッサ!
『ギャアアアアアアア!』
「知識云々は俺には教えられないんだな?」
『そ、そう!記憶は引き継げるけど与える事は出来ないんだよ!』
「なるほどなー。じゃあもう終わりって事か」
『そうだね!だからもうバサバサしないで!』
「はいはい」
『あぁもう!早く行っちゃってよ!』
霧の塊が指を俺に向けると同時に強烈な眠気が襲ってきた。
「お・・・お?」
『うぅ・・・目が回って気持ち悪い・・・』
目、どこだよ・・・。
そう思いながら俺の意識は闇に沈んだ。
「────」
ん・・・何だ?
「────!」
「───────!」
なんか・・・騒がしい・・・。
水中にでもいるのか・・・コポコポうるせぇ・・・。
ゆっくりと目を開けると目に入ってきたのは透明な黄色のフィルターがかかったような光景。
何人もの白衣を着た男女が資料を見ながらあーだこーだ言ってる。
「────!?」
「────!」
ゴォオオッという音がしたと思ったらフィルターが下へ下へと下がっていく。
「のわっ」
完全に消えたと思ったら次は浮遊感。
スロープを下って地面を転がる。
その際に頭を打ったのは気にしない。
「うわわっ」
白衣の男女が近づいてきて俺の目やらを見て頷いた。
「健康そのものです。完治したと見てよろしいかと」
「よし。次の実験を始める。準備の間は牢屋に入れておけ」
茶色いボロ布を投げ渡されたと思ったら白衣の連中が慌ただしく動き出す。
「あのー。聞いてます?おーい・・・ん?」
色々と聞こうとして手を伸ばして気づく。
俺の手、細すぎじゃね?
髪、細い上にピンクじゃん。
目線を下に向ける。
そこには成長途中の胸とアレがないという事実。
・・・・・・。
「女ぁああああ!?」
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