Chapter2 魔王と勇者

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「実は……私の剣でなら、倒せるんです……異端を」 私は、二人の前に剣を掲げ、ナズさんの質問に答えた。 ……そう。私の剣は、不死身の怪物を殺せるのだ。 理由は分からない。ただ、なぜか私の剣で倒された異端は復活することなくそのまま消滅してしまうのだ。 不死身の怪物を殺せてしまう力。当然、簡単に受け入れられるものではないだろう。 さあ、どう来る。嘘だと突き放されるか、疑念を持ちながらも信じてくれるのか……いっそのこと、きっぱりそれは嘘だと言ってくれるくらいが気が楽なのだが。 「えっ?」 「なに……?」 二人が硬直した。 ……やはり、信じられないか。今となっては異端は決して倒れないと言うのが世界の常識、仕方のないことだ。 さて、このあと「本当なのか?」という質問が返ってくると思われる。 思われた……のだが。 「君もなのか?」 「えっ?」 実際には、数秒前のレインさんの反応を私がそっくりそのまま返す結果となった。 予想の死角を突いてきた返答に対して、今度は私が硬直することになる。 「レイン、それは……」 「……ナズ、これは僕が異端の元凶じゃないという証明にもなる」 「え、え……?」 なにかを話す二人と、戸惑いを隠せない私。 君も……とはいったいどういうことだろう。 この力は、ずっと私だけのものだと思っていた。だからこそ、私が異端の元凶を討伐する役目に抜擢されたのだ。最も魔王がこの調子なのだけれど。 ……でも、この言い方……私以外にも同じ力を持つ人が存在するような……まさか。 「……リーサ。実は僕も……異端を消滅させる武器を使えるんだ」 ……そのまさか、だった。
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