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そして植田も、顔立ちは整った今どきの顔。180㎝の高身長なのに牛乳瓶の底眼鏡。
日の光を浴びない生活のせいですっかり草食男子になっていた。
そして惚れ込んでいるのは茉裕の仕事の才能だけではいことに気づいてはいなかった。
「まだまだあ!!」
「うりゃあ!!」
何をしているのかというと、格闘シーンでお互いにキャラ同士の表情を作りながら自分がなりきって紙に向かってペンを走らせている。
という光景であって、取っ組み合いをしているわけではもちろんない。
「話を聞いていただけないですか」
見上の蚊の鳴くような声は届くはずもなく、いやもっと言えば入ってきたことすら気付いていない。
パン!!!
派手に手を鳴らす音に、さすがにハッと我に帰る二人。
「話を聞け」
二人の首がくるりと振り向く。
「えっと………どちら様??」
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