ソウルウォッシュ(ショートショート)

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ソウルウォッシュ(ショートショート)

「完成したな」エス博士は装置を指先で優しく撫でながら感慨深く言った。 「これで世界は平和になりますよ」助手Bの顔には使命感が溢れていた。 「魂を磨く装置だから……ソウルウォッシュとでも名付けようか」 「いいですね」   助手Bが博士にゴマをすりながらも、地下室につながっているドアをチラッと見たことを、エス博士は見逃さなかった。 「やっぱり、彼のことが気になるのかい?」エス博士の表情が少しだけ曇った。 「あ、いいえ、そういうわけでは」助手Bは慌てて誤魔化す。 「実験に失敗はつきものだし、平和には犠牲がつきものだ。じゃあ成功には?」 「お金がつきものです」 「そう。一緒に儲けようじゃない」 「はい!」二人はガッチリと握手を交わしていた。 「ソウルウォッシュを世間に発表する前に、もう一度だけ彼に会っておこうか」 「そうですね」
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