第二章 

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ショーを観ていた人々は、自分達の本来の用事を思い出してバラバラに行動し始めた。 ピエロはショーの片付けをしていた。 「あの、良いですか?」 「ん?君は?」 ピエロは相変わらずニマニマと笑っている。 「あの、さっきあなたのショーを観ました」 ピエロは、目を細めて 「有り難う。それで、何かな?」 聞きづらい。けど・・・ 「あの、このショーとは一切関係無いんですけど。俺、いや、僕、目覚めたらこの街にいたんです。ここは何処なのか分かりますか」 「君、最後の記憶は?」 ピエロの顔から笑顔が無くなる。 薄気味悪い。笑った顔は只の笑わせ屋、道化師だと思ったのに、真顔になると何やら狂気じみたものを感じる。 考えろ。 中々思い出せない。 ああ、たしか・・・・・・ 「電子自動車に乗っていて、ゲームの広告を見ようとして車から顔を出したんです。そしたら頭に強い衝撃があって気付いたら身に覚えの無いベットの中で寝ていて、外に出たらこの街だと分かって」 ピエロはもう良いよと言って 覗き込むかのように俺の目を見る。 そして、衝撃的な一言を俺に放った。 「率直に言うと、君は死んだんだ」
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