視線の正体

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大丈夫、僕が友人から聞いた話だから。 あのね、友達の友達がね、夏休みに山にドライブに行ったんだって。 いつもは通らない道を選んで行ったら、とある廃校についたんだって。 トイレにね、行きたくなって、廃校に入ったんだって。 僕ならコンビニ探すけど、廃校になるような山奥にはなかったのかもしれないね。 昼でも薄暗い古い木造の荒れ果てた校舎。 ましてその時、時間は逢魔が時。 夏でもどこかひんやりとした空気を感じながら、一人、トイレにはいる。 背後には手洗い場の鏡が並ぶ男性用トイレで、彼は用を足す。 ふと視線を感じて彼は振り返る。
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