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そうしてしばらくの間、俺とランセルは繋がったまま体を重ねていた。互いにまだ一度だというのに、数度果てたような疲労感なのだろう。
俺の体の熱は未だに消えていない。それどころか更に加速しているように思える。
「グラースさん、一度休憩しましょう。これ、凄い…」
「あぁ、そうするか…」
俺の中からランセルが抜け出し、息をつく。そうして見下ろした時にふと目に入ったものを、俺とランセルは同時に確認して、思わず「あ!」と声を上げた。
黒い印が、赤く色を付けている。そしてそれが、そっと消えた。
「やった……」
思わず呟いた俺は、次には笑っていた。隣でランセルはペタンと座ったまま、無言で泣いていた。まったく、どこの乙女だお前は、似合わない。
「あの…とりあえず一発殴っていただいてもいいですか?」
「なぜだ」
「夢かもしれません」
そんなバカな事を言うコイツを、俺は引き寄せて抱いた。肩口に顔を埋めたランセルは震えていて、俺はその頭を何度もポンポンと叩いた。
「良かったな」
「はい…」
「プロポーズ、しろよ」
「愛しています」
「上出来だ」
いつぞやの言葉を口にしたランセルを腕に抱いて、俺も満足に眠った。まだあまり実感の無い自らの体に宿った命も、一緒に抱きしめるように。
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