【微エロ】焔の花紋に触れる唇

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「ゾルアーズ軍、東方第三砦隊長グラースだ。大人しく捕まるならよし。抵抗すれば命の保証はない」  恐れに足を止めた奴は、だが次には腰の剣を抜いた。竜人だろうその4人は、どうやら俺を殺す事を選んだようだ。  指にはめた指輪から剣を取り出し、走り込んだ剣を受ける。さすがは竜人、雑魚でも力は強い。受けた俺は僅かに後ろに下がらされる。  その横合いからも一斉に2人、俺をめがけて剣を振り下ろす。素早く正面の奴を弾き飛ばし、その場を避けた。残る1人は俺の背後を狙っている。そいつは思いきり蹴り下ろしてやった。 「たかが狐だ! 全員でなら負けはしない!」 「…あぁ?」  ピシッと青筋が立つような事を言う。これでも砦を預かる隊長だ、なめられたものだ。  俺は剣をしまった。やれるが、まどろっこしい。どうせこいつらの生死など問わないつもりできた。結界は魔法の影響を周囲に出さないように張った。 「おい、剣を捨てたぞ!」 「殺せ!」  あざ笑う竜人のその足下を、青い炎が揺らめき燃えた。 「うわぁぁぁ!」 「なんだこれ!!」  俺はニンマリと笑う。綺麗な戦いなど知るか。  俺の両手には青い炎が揺らめく。尾は不自然に広がり、髪は魔力が通い浮き上がっている。 「なめるなよ、トカゲ共。貴様ら全員焼き捨てるだけの力はあるんだよ」     
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