【微エロ】焔の花紋に触れる唇

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 同じ仲間は身を任せる方が楽だと言う。普通じゃ得られない快楽を得られると言う。  だが俺は、そんなもの望んでいない。自分が自分ではなくなるなんて、耐えられない。  不意に体が浮き上がり、あまりの不安定さに腕を伸ばした。  奴は俺の体を横抱きにし、持ち上げる。この細腕のどこにその力がある。身長的には同じくらいだ。だがそもそもの体格は俺の方がいい。なのにまったく危なげなく、難なく持ち上げられた。 「おや、可愛らしい」  首に腕を回した俺の耳元に囁きかけたランセルは、そのまま俺を運んでいく。身動き一つで全身に走る疼きと熱に苛まれる俺に、拒む力は残っていなかった。
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