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ゾワゾワと這うように痺れが走る。甘く甘く響く。勝手に息が上がる。そして、俺の意志とは関係なく前が切ないほどに膨らむ。
「苦しそうですね」
そう言って、コイツは俺の前をくつろげた。確かに物理的には窮屈じゃなくなった。だが、問題はそこじゃない。
「止めろっ」
「だって辛いでしょ? 蕾の数だけ花は咲く。その花から漏れるだけの魔力なんて、放出に時間がかかって仕方がない。魔力が内を巡る時間が長ければ、ダメージが残ると聞いています」
どこまでも知ってやがる。
その通りだ。魔力が体内で行き場をなくして暴れる時間が長いと、ダメージになる。そのせいで3日は動けない。怠いのと、発熱と関節痛と筋肉痛。とにかく起き上がる事ができなくなる。
「ですから、こうして…」
そう言って、ランセルは咲いたばかりの手首の花に唇を寄せる。そして、蝶が蜜を吸うようにそこから魔力を吸い出した。
「はっ! あぁぁぁぁ!」
焼けるような刺激に悲鳴に近い声が上がる。背が勝手に弓なりになり、心臓がバクバクと音を立てている。むき出しの神経を愛撫するような感覚に、俺は動きが取れなくなった。
「神経に響くような快楽というのは、慣れれば癖になるのですがね。貴方はよほど拒絶なさっていた様子。慣れていないのなら、辛いでしょう」
そう言いながら、コイツは止める気配がない。
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