しがみついていた物がゴミ屑だと知った日

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 ゾルアーズ国第二の都市、ハーベル。ここに、軍の総司令部がある。  俺はもう一時間、面白くもない奴らの顔を見続けている。 「部下の犯罪を見逃すとは、なんたる不始末!」  そう、いきり立つライオンは第二砦のくそったれだ。 「総長! これは軍の信頼を著しく失墜させる事態ですぞ!」  机を叩き声高に言う狼は、第四砦のくそったれだ。  どいつもこいつも、軍の上層部というのは部族だなんだと面倒くさい。しかも自分たちの事はなかったことにしている。  こいつらは言うんだろう。軍は我々選ばれた一族のみがいればいい。ぽっと出の狐が偉そうな顔をしてここに並ぶ事は許されないと。 「大体、他国に頼るなどなんて恥知らずな」 「そうです。我が国にはこの程度の輩を抑える力もないと晒した様なものです」  実際そうだろ。俺からの要請を「今は忙しい」とか「それは我らの仕事ではない」とか言って突っぱねたんだろうが。だから要請したんだ。  俺を見る、一際大きな椅子に座る男が静かにそれらを聞いている。気遣わしい目で俺を見て、どうしたものかと思案している。     
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