ジェームベルト第二国軍宿舎

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「はい…」 「犯人連れてこい」 「犯人…っすよね。いや、本当に犯罪っすから」 「問いただす」 「はいっす」  言って、ハリスは大人しく部屋を出て行った。  頭が痛いが、これはもう二日酔いじゃない。現状についてだ。  確かに俺は軍を辞めてきた。戻る気もない。そしてあいつと飲んでいる時、確かに竜の国に行くのもいいかもしれないと言った。ただそれは旅をしてみようかと言うことであって、誰が拉致しろと言った!  額を抑えているとバタバタと音がして、勢いよく扉が開いた。そして間髪を入れずに俺に抱きついて額にキスするアホがいた。 「やっと起きてくれましたね、グラースさん! もぉ、なかなか起きないから心配しちゃって」 「おい」 「はい、なんでしょうか?」 「誰が拉致れと言った」 「私がしたかったのでしました。軍はお辞めになったのでしょ?」 「そうだが! だが、俺の意志はどうした!」 「だって、竜の国に来るのもいいと仰ってたので」 「旅をしながら今後の事を考えるのもいいと思ってだ!」  大体、この口振りだと昨日の今日だ。いったいどうやった。 「いやぁ、まさか早朝から竜化して帰って来るなんて思わなくて、思わず叫んだっす」     
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