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その後のあれやこれ
俺の中で、子は順調に育った。流れやすいと聞いていたがそんな事もなく、安定した状態で7ヶ月後、無事に産まれてくれた。思ったよりも楽なお産に、俺も安堵した。
考えれば獣人だって産まれる時は大きい。それに加えて俺は獣人の中でも体が大きいから、産むのにそれほどの苦労はなかった。
産まれた息子はアンテロと名付け、順調に育っている。
あれだけ険悪だった緑竜の王は、俺が子を授かったと聞いて態度を一変させ、土下座しそうな勢いで頭を下げに来た。
俺はその時にはもうどうでも良かったんだが、ランセルの方がそうじゃなかったらしい。実の親を足蹴にしようとしたのは、流石に止めた。
何にしても可愛い孫に牙を抜かれ、今ではすっかり好々爺のようだ。
俺とランセルも相変わらずだ。
俺は産後1ヶ月を過ぎると体力訓練を開始し、3ヶ月後には軍に復帰した。鬼教官は相変わらずだ。ついでに国務も忙しくなったランセルのサポートとして、軍の運営にも多少首を突っ込むようになった。
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