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頭のおかしい事と有能さはまた別の話
翌日、ひどく体が重く気持ちが悪いまま目が覚めた。
原因は分かっている、昨日の事件だ。似合わない魔法に力を使いすぎた事。そして、他人の…しかも竜人の血を取り込んで悪酔いしたんだ。
「っ…」
上半身を起こすと僅かに頭が痛みフラリとする。鈍い頭を手で押さえ、サイドボードの水差しの水を飲み込めば少しはましになった。
起き上がり、普段よりも熱めのシャワーを浴びれば意識も気持ちもしっかりとしてくる。綺麗に拭き上げ、髪と尾の水を魔法で乾かせばそれでお終いだ。
ゾルアーズ軍の制服は黒。黒のストレートなズボンに白いシャツ、それに国章の入った赤いネクタイを締め、尻が隠れるくらいの長さの上着を羽織る。一般の兵はここまできっちりとはしていないのだが、一応は上官としての形もある。堅苦しくて肩が凝るが。
部屋を出て、食堂へ。いつもより賑やかなそこは軽く戦場のようだ。
「あ! 隊長おはようございます!」
「あぁ」
元気が取り柄の部下達が軽い感じで挨拶をしてくる。それに俺も応じた。
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