1221人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
【R18・レイプ】狂気の夜
その夜、ランセルは意気揚々と部屋にきた。
随分と嬉しそうなその様子を、俺は冷めた目で見ている。
「グラースさん、落ち着きましたか?」
「…あぁ」
拉致った奴の言うことか。随分と嬉しそうに、何がしたい。
「では、お酒でも…」
「いい」
断りに、一瞬寂しそうにする。その顔を止めろ、俺が悪い事をしているような気がする。
「…怒ってますよね?」
「当然だな」
静かに俯いたランセルは、そのままソファーに腰を下ろす。俺は窓辺にいて、黙っていた。
「…貴方の事が好きです」
「そうか」
「本当に好きなんです。一目惚れです」
「勘違いだろ」
「違います! 私は…」
「お前は俺に子供を産ませる為に連れてきたのか?」
瞬間、場の空気が凍り付いた様な気がした。
見ればランセルは今にも泣き出しそうな…壊れた顔をしていた。震えながら、それでも口元の笑みは壊せない。目は辛そうに俺を見ている。
「父親に、好みでもない奴と娶せられているんだろ。俺はお前の好みではあったから、煩わしい事を避けたくて連れてきたのか」
「なんですか、それ…」
「子供を産めと、お前は俺に言う。その為に拉致したんだろ」
最初のコメントを投稿しよう!