拒絶するのは心のありかを知らないから

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拒絶するのは心のありかを知らないから

 翌日、目を覚ませばあいつはいなくなっていた。  それから、あいつは俺に日中会いにこなくなった。俺に食事を運んでくるのはハリスで、俺はそれを少しだけ食べた。  あいつが来るのは必ず夜。俺を犯しにだけくる。  薬の反応がない事に苛立ち、怒り任せに俺を抱いていく。その度に、泣きそうになっている。俺の心は冷たくなる。  もしかしたら、少しは俺の知っているランセルに戻るかもしれない。そう思っていた俺の甘さを呪った。
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