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『しろいうさぎと くろいうさぎ、
二ひきのちいさなうさぎが、
ひろい もりのなかに、すんでいました』
舞台から聞こえる私の声が、まるで知らない人の声の様に聞こえる。
広い草むらの中には、ちょこんと二匹の兎が仲良く佇んでいる。
ひなぎくを飛び越え、クローバーをくぐって遊んだり、小川で冷たい水を飲んでいたり。
仲良しの2匹の兎なのに、黒い兎は時々悲しそうな顔になる。
どうしたの?と尋ねる白い兎。
ちょっとかんがえてたんだ、と答える黒い兎。
この、悲しそうな顔を作るのに苦労したな…なんて思い出してしまう。
私の右手は、まだ部長の手の中。
そっと見上げると。何だか黒い兎の表情に重なって見えた。
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