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田端君と私は学年に1組しかない理数科で、しかも出席番号1番同士、基本隣の席。
ぼさぼさな頭に、度の強いメガネ、無口で無表情。
休み時間は大抵本を読んでるか、一生懸命ノートを取っていた姿をよく見かけた。
そんな彼と初めて話したのは…確か、
「大崎さんのソレ、旨そうだな」
彼は私のカバンのチャームを指し示していた時。
それは、私が作ったスウィーツデコの小さなパフェ。
……この人、喋ったよ!
まるで「クララが立った!」位の勢いで驚いたんだよな。
隣になって1週間程経って、必要事項以外で初めて話したのがこれ。
「田端君、お腹空いちゃったの?」
ポケットに入っていたグミをあげたら、照れ臭そうに笑ったその顔が妙に可愛かったのを今も覚えている。
あの頃はまだ私と背丈が殆ど同じ位だったから、しっかり眼が合ったんだ。
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