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「何が残念だって?」
彼はディスプレイから目を離さず、私の呟きに答える。
「部長の機嫌いい顔、メイキング映像に使いたかったのにな、って事」
本当はメイキングじゃなくて、私だけの秘蔵映像予定だけど。
恥ずかしいからそこは秘密。
忙しなくマウスを動かす彼の手が止まってくるりと向き直り、じっと私を見つめる。
「……それは大崎の心にだけしまっといてよ」
レンズ越しに見える彼の目が優しく笑ってる。
たまに見せてくれる、この眼差しを心に焼き付ける。
心のメモリー、一杯になっちゃいそう。
空き領域無くなっちゃわないかな?
あ。広瀬香美の曲にそんな感じのあったなぁ。
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