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撮影とチェックを何度となく繰り返し、数日掛かって動画部分が完成した。
「残りはナレーションや効果音を入れたいんだよなー…」
コーヒーを飲みながら小休止。
部長はパソコンで流れる画像を見ながら呟いた。
「字幕にしないの?」
前回の作品の時の事を思い出しながら私は訊ねた。
「うん。
今回は台本作ってあるから。
大崎、ナレーション担当で」
なんですと!?
「大崎、余り喋る方じゃないけど滑舌いいじゃん。
おまけに高すぎないし、早口でも無いから聞きやすい。
俺は結構良い声だと思うよ?」
かぁっ。
頬がさっと熱くなるのを感じた。
…こらこらこら。
誉められたのは私じゃなくて、私の声だから!
落ち着け、私!
ぺちぺち、と頬を軽く叩いて気合を入れると、彼は私を見て肩を揺らしながら笑っていた。
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