月曜日

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「お座りになりませんか。お茶淹れますけど」とおりょうちゃんが言った。そういえば全員玄関で立っていた。 「おじゃまするわね。へえ……」 ほしこさんは急にいやらしい顔つきになって、室内を見回した。 「若夫婦の新居って感じね」 そんな表現をされると照れる。おりょうちゃんだって、ある日突然ほしこさんが連れて来たくせに……。 オルガノンとほしこさんが同じソファに座る。俺はスツールに腰かけ、おりょうちゃんがジャスミンティーを淹れてくれるのを待った。 オルガノンは無表情に下を向いている。俺は気になるような気持ち悪いようなで、何も言えなかった。 「お茶は飲むんでしたっけ?」 気づいたようにおりょうちゃんが聞く。ほしこさんは首を振った。 「オルガノンは専用のクッキーしか食べないの。あとは水。でも食べる時間が決まってるから、今は何もいらないわ」 「へえ」 俺は何かを意外に感じた。何が意外なのか、わかってから発言した。 「アントロポスやエンケパロスと違うんだね。あいつら、好きに何でも食べるけど」 「そうね。このコは低性能だから」 『俺』の頭を撫でながら言う。俺は間接的に馬鹿にされた気分になる。 「なんで。新作だって言ったじゃん。新作が低性能?」 「そうよ。これはね、外貨稼ぎに作ったおもちゃなの。任意の人物データを入れて、その人そっくりに作るっていう――ちょっと面白いでしょ?」
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