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「なにして遊ぼう? 僕、こんなにいっぱいの草とお花は初めてなんだ」
「そうなの? じゃあ、四葉のクローバーを探す? それとも飛蝗取りする?」
「わあ! それ、両方ともやってみたい」
「じゃあ、まずは四葉のクローバー探そう。クローバーが一杯咲いているところ、知っているよ」
「うん!」
男の子が春喜の事を気にしながら遊びに誘ってくれたからか、あっというまに人見知りは無くなり、いつの間にか一緒に笑って沢山遊んだ。
ふと空を見上げると、茜色に染まり始めていた。
「あっ。もうこんな時間だ。帰らなきゃ」
靴はすっかり草の汁まみれで、シャツにも緑色のシミがついていた。春喜はこんなにたくさん遊んだのは初めてで、もっとずっと一緒に遊びたいと思ったが、おかあさんとの約束は破ると怒られる。だから、とても残念に思いながらも、男の子に聞こえるように声にだした。
「もう帰るの?」
男の子もがっかりした声だ。春喜と同じでもっと一緒にいたいと思ってくれているのかもしれない。それがとても嬉しかった。
「・・・うん。ごめんね。おかあさんが、夕方までに帰りなさいって・・・」
「そっか。・・・じゃあ、明日また遊ぼう?」
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