プロローグ2

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それから20日が過ぎた年の瀬。ミニックの元にまた手紙が届いた。 今回の差出人はメタではない。それは、ナルック政府からの機関紙だった。いつものようにペーパーナイフで封を開けるミニック。機関紙に目を落とすと、血の気が潮のように引いていった。 ロマンチアが首都・モエルを空爆。町は壊滅状態で、死者は十万人を超えたそうだ。 ミニックは頭を抱え、震えた。孫娘の安否は不明。今のミニックに、首都まで行く体力もなければ財力もない。もどかしさに、そして、絶望感に打ちひしがれた。涙でぼやける機関紙を読み進めると、ロマンチアがモエルを空襲した要因が書かれていた。
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