39人が本棚に入れています
本棚に追加
それから20日が過ぎた年の瀬。ミニックの元にまた手紙が届いた。
今回の差出人はメタではない。それは、ナルック政府からの機関紙だった。いつものようにペーパーナイフで封を開けるミニック。機関紙に目を落とすと、血の気が潮のように引いていった。
ロマンチアが首都・モエルを空爆。町は壊滅状態で、死者は十万人を超えたそうだ。
ミニックは頭を抱え、震えた。孫娘の安否は不明。今のミニックに、首都まで行く体力もなければ財力もない。もどかしさに、そして、絶望感に打ちひしがれた。涙でぼやける機関紙を読み進めると、ロマンチアがモエルを空襲した要因が書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!