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レジに向かう途中、人だかりができていた。
「あ、サンタクロースだ!」
目をやると、たくさんの子どもに合わせて屈んでいるサンタクロースがいた。クリスマスシーズンのイベントだろうか。そのサンタクロースは子どもたちに風船をプレゼントしていた。
ケリーは、あからさまに行きたそうにそっちを見ている。
「この子と一緒に行って来るか?」
マイルスが気遣ってやると、ケリーはぬいぐるみを抱っこしながらサンタクロースの元までひとりで歩いて行った。まだ会計前だが、店内であれば問題ないだろう。マイルスは少し離れたベンチに腰掛けた。このおもちゃ売り場はなかなか広い。そのためか、いたるところにベンチが用意されていた。
「じっくりとお選びくださいね」
そういった商業的なホスピタリティであることに間違いはない。人だかりの最後尾あたりに着いたケリーは、マイルスに手を振った。
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