プロローグ2

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ある日、ミニックの元に一通の手紙が届いた。差出人はメタだった。ミニックはペーパーナイフで封を開け、中の便箋に目をやった。たまに見る孫娘の字は、上手ではないが素朴で、心が休まる。しかし、そこに綴られた内容は穏やかなものではなかった。 なんと、ロマンチアが一方的にナルックへの貿易を打ち切ったという。首都・モエルでは、自国民同士による食べ物の奪い合いが勃発。町はパニックに陥り、殴り合いや殺し合いが起きている、とのことだ。 ミニックは孫娘の身を案じたが、手紙の最後に「私たちは大丈夫。心配しないでね」と書かれていた。気丈に振る舞おうとする孫娘の顔が過ぎり、何もしてやれない自分をミニックは情けなく思った。 「もはや自分は死に絶えても良い。メタと、その家族はどうか無事であってくれ。どうか神よ」 そう囁き、ミニックはナルックに古くから伝わる神に祈った。 それにしても、なぜ、ロマンチアは貿易を打ち切ったのだろう。ミニックは不思議に思うが、その答えはわからなかった。
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