第2章 放課後のお楽しみ

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 放課後、和は一人、桜子から貰った招待券の店にやって来ていた。  不思議の国のアリスをモチーフにした可愛らしい店内は、店員さんの服装も可愛らしい。  スイーツが鎮座するショーケースの前で、和は固まっていた。 「なんて……」  おとり皿を片手に、肩をふるわせている。 「なんて、かわいいんだっっ!!!」  煌めくお菓子の行列を前に、和は絶叫した。 (はぁぁぁ、どれもかしこも可愛いなちくしょうっっ!!!)  一人、身悶えし、頬を赤らめている和に、周りの客はざわめき、潮が引くように離れていく。が、当の本人は気がついていない。  ニコニコしながら、スイーツを吟味し、お皿に盛りつけていく。  ガトーショコラにショートケーキ、フルーツタルトに、と載せていき、あと一つどれにしようかな、と見渡して、 「はっ!あれは…!」  和の目にとまったのは、うさぎの形のカップケーキだった。残り一つだ。 (ラッキー♪)  ニコニコして、手を伸ばす。  と、寸前に横から伸びてきたトングに、うさぎケーキは奪われてしまった。  カチン、と来て、横は入りしたやつを見ると、 「「なんでお前(おめえ)が、ここにいるんだよ!!」」  見事に二つの声が重なった。  そこにいたのは、最も会いたくない、洋だった。
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