プロローグ

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 けじめをつけてからとわかっていたが、自分たちは関係を持つようになった。  きっかけがきっかけで、現状が現状なので、大っぴらにできない。恋人だといえない日々はつらい。  話し合った末、彼女に自分の存在を明かしてしまうことにしたのだ。彼女との友人関係が終わっても、もしくは意地悪されても、彼を取ると決めたのだ。  階数ボタンのランプが下までおり、ドアが開く。ちょうどその時、横で同じようにエレベーターを待っていた男性の携帯の着信音が鳴り響いた。 「すみません」  男性はそういって、鞄の中から携帯を出し耳にあてた。 「もしもし、ああ、わかったから。大丈夫だろう。ただの悪戯(いたずら)だって。………うん。落ち着けって。───また後で電話する」
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