四角関係

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テストでは、マモルは92点だった。 愛は80点でぎりぎりのAだった。 「まったく、化学はやっていないのにその点数は凄いよ」と三人はいったが、愛は納得いかない様子だった。 大学が夏休みに入る前、7月の中旬にクラスの皆で飲み屋にいった。 愛の両脇は、ホリカワとタヌマにふさがれ、会話も独占されていてマモルの入る余地はない。 カラオケにいったが、歌を歌うのが苦手なマモルは「お地蔵さん」のように隅っこでおとなしく座っていた。 「マモル君の出番よ」といわれた。 1977年の兄弟デュオ狩人のヒット曲、あずさ2号を熱唱した。 8時ちょうどの中央本線の特急あずさに乗り、新しい彼とともに東京を離れてやり直す私 、女ごころを表した曲でマモルの好きな歌であった。 愛は「男が書いた勝手な曲だわ」と表現した。 愛は、調子のよいタヌマに飲まされ、飲めない酒を飲んでいた。 「あれ、タバコとお酒は成人からじゃないの」とマモルはいったが、すでに遅かった。
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