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愛の宿泊
飲んだくれた愛を介抱したが、初めて飲む酒の影響からか意識がはっきりしない。
とりあえず、一番近いマモルのうちで介抱することになった。
マモルはオンナの子が家にくるのがこんな形でくるとは思わなかった。
飲んだくれて寝ている愛の横でいそいそと雑然とした部屋の簡単な掃除をした。
もちろん、独身男性がもつ数多く品々、みられてはいけないものは押入れやベランダに置いとくことにした。
そして、いまだあきらめがつかない東都大学の再受験の勉強をし始めた。
勉強中も愛は吐き気が止まらない様子だった。
マモルは態勢をいれかえようと愛のからだを起こした。
そのとき、意外と無意識の人間って結構重いんだなと冷静に分析した。
愛はしきりに「救急車だけは嫌よ」とうわごとのようにいった。
マモルは、脱水だけはごめんだと考えて、近くのコンビ二にいき、
大量の清涼飲料水を買い、いやがる愛に飲ませた。
夜半、電気を消したが、もちろん寝れるはずもない。
心配で愛のことを見守っていた。
そのうち、うとうとし始めたが、愛のシクシクと泣く声で起きてしまった。
「どうしたの、気分でも悪いのかい」と声をかけた。
愛はただ、黙って泣くだけだった。
マモルは眠れない一夜をこうして過ごしたが、翌朝には愛は元気になり始発で絵顔で「バイバイ」といいて去っていた。
一体、あの涙は何だったのか?
マオルは何回も考えたが答えは出なかった。
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