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やきもきする朝吹兄弟を前に
僕は他人事のように首を傾げる。
「僕はただ――もっとよく知りたいの」
もっとよく知りたい。
良い事と悪い事を。
自分の限界を。
そして悪食孔雀たちの生態を――。
食事の手が完全に止まってしまった。
誰もがコーヒーとサンドイッチ以外のモノを欲していたんだ。
「Wem Gott will rechte Gunst erweisen, den schickt er in die weite Welt」
「何……ですか?」
冬馬がドイツ語で何やら言った。
「神はその寵児を遠い旅に送り出す――」
噛みしめるように由莉がそれを訳した。
「アイフェンドルフ男爵の言葉――次の時間に教えるんだ」
冬馬はチラリ腕時計を見ながら
「僕が生徒なら――次の講義はサボって君らといい事するのにな」
溜息交じりに白状する。
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