第10章

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だからだ。 しばらくは物珍しがって騒いでいた野次馬連中も あまりに響也が変わらないので興味が失せたか。 もしくは――。 「汐里くんて夏休み前と全然雰囲気違うよね」 「うん、なんか綺麗になった」 「てかエッチな感じに」 興味の対象が変わったようだった。 「行こう、由莉が待ってるよ」 「お昼前に大学に来るなんて。珍しくあのものぐさ王子、早起きしたんだね」 「ああ。孔雀に目覚まし持たせて走らせたってさ」 響也に連れられて行くと カフェテラスのテーブルに由莉の姿があった。 「……汐里!」 「やあ」 相変わらず気怠い顔して それでも立ち上がると僕を軽くハグした。
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