69人が本棚に入れています
本棚に追加
「汐里――汐里、着いたよ」
屋敷に辿りつくまでに
僕はどうやら眠り込んでしまったらしい。
目を開ければ助手席のドアを開け
響也が僕を覗き込んでいた。
「ン……」
目を覚ますと今じゃ習慣のように
僕は響也の首に腕を回してキスをせがむ。
もちろん響也が拒むことはない。
身を屈めむしろいつもより熱っぽいキスをくれる。
「着いた早々見せつけてくれるじゃないか――」
と――。
荷物を運んでくれる冬馬と入れ違いに
屋敷の入り口から長いローブを引きずって
ブロンドの貴婦人みたいな由莉が現れた。
最初のコメントを投稿しよう!