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「やあ」
「やっときたか」
髪をかき上げる響也と軽くハイタッチし
由莉は寝起きの僕を見下ろした。
差し出された手に掴まって
僕は車を降りた。
その時だった――。
「クワァッ!キィアッ……!」
「何っ……?」
狂気的な鳴き声と一緒に
あの孔雀だ。
僕を辱めたあの巨大な雄孔雀が
こちらに向かって突進してきた。
「いやぁっ……!」
「汐里っ……!」
あの日の屈辱と恐怖が同時によみがえり
僕は広い庭を一目散駆け出した。
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