69人が本棚に入れています
本棚に追加
孔雀は奇怪な音を立てながら羽を広げ
無我夢中で僕を追ってくる。
まるで一度味を覚えた雌を
逃がさないとでも言うかのように――。
「いやだっ……こっちに来るな……!」
振り返りざま砂をかけてやるけれど
「キァッ……!ギィアッ……!」
より興奮した孔雀はかっと目を見開くと
「ウソ……!」
嘴から唾を飛ばして鳴き立てながら
ダチョウ並みの速度で僕を追ってくる。
「キイィァァッ……!」
「わっ……!」
庭の真ん中に差し掛かった頃
ついにその嘴は僕の脚を捉えた。
僕の脚はもつれ
無残にも後ろから引き倒されるとまた
「いやぁっ……!」
孔雀は我が物顔で僕の双丘に飛び乗った。
最初のコメントを投稿しよう!