第10章

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ドスッと鈍い音がして 背中の孔雀の身体が傾いだ。 振り向けばバッドのような長い棒を手に 無表情の由莉が立っていた。 その隣には これまた同じ感情のない顔をした冬馬が 巨大な孔雀の首を鷲掴みにして立っていた。 2人は森に住む美しい狩人のように 暴れる孔雀を手際よく抑え込むと あっという間――。 「ひっ……!」 本当にあっという間に その首をポキリと折ってしまった。 それから孔雀の身体は 冬馬の腕の中で大きく一度震え すぐに固まったように動かなくなった。 「し……死んだの……?」
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