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「今度貸してよ」
僕がねだると
「どっち?ジャケット?ジーンズ?」
挑発的な笑みを浮かべて
由莉は舐めるように僕を見つめた。
と――。
「この絵はいただけないな」
僕らの間に割って入るように
テーブルの上
ストンと分厚いテキストが置かれた。
「冬馬さん」
「どうして誰も昼飯を食べない?ただでさえ目立つのにおまえら、テーブルを挟んで昼休みの間中見つめ合ってるつもりか?」
そう言うとテーブルの真ん中に
コーヒーが4つとサンドイッチののったトレイが置かれた。
「先生の奢り?」
「ああ――愛しの弟たちに」
響也がちょこっと口端を上げて
三角形のサンドイッチに手を伸ばす。
「言っとくけどあんたが同じテーブルにいるのが一番目立つからな」
由莉は文句たらしく
倍増したあたりの視線を捉えて吐き捨てた。
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