第10章

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「いいじゃないか。先生は――綺麗な男の子がとにかく好きなんだ」 「いけしゃあしゃあと。エロ教授のつまんない講義をきゃあきゃあ言いながら受講してる女どもに聞かせてやんな」 兄弟は相変わらず憎まれ口を叩き合い 僕らは笑いを噛み殺した。 軽い昼食を咀嚼する 沈黙の合間 「ところで2人は――」 冬馬が改まって僕らを見つめた。 「あれから何度したんだ?」 「え?」 「あれから2人で何度したのかって聞いてるんだ」 学者は何でも統計を出したがると 聞いたことはあったけど本当みたいだ。 「ホントに野暮だな!」 呆れる由莉を尻目に 「家のベッドでは2、3回です」 「響也っ……!」 天然物の笑みを浮かべて 響也は真正直に質問に答えた。
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