第10章

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それで――。 「家のベッドではって言い方が気になるな」 野暮だと罵った由莉も やっぱり興味があるのか身を乗り出してきた。 「両親もいるし――家ではさすがにね」 「て言うと?」 「あとは近所の公園と講義室のベランダでしました」 「響也ってば……!」 コーヒーを吹き出しそうな冬馬を横目に 響也は軽く指先を噛んだ。 思い出してる――。 物思いにふける時の昔からの癖だ。 「その度にイクのか?」 「おい!真昼間の学食だぞ?」 弟が頭を抱えるも 研究者の探究心は留まる事を知らなかった。 「知りたいですか?」 「もちろん」 テーブルの下 誘い込むような手つきで響也は僕の手を握ると――。
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