69人が本棚に入れています
本棚に追加
それで――。
「家のベッドではって言い方が気になるな」
野暮だと罵った由莉も
やっぱり興味があるのか身を乗り出してきた。
「両親もいるし――家ではさすがにね」
「て言うと?」
「あとは近所の公園と講義室のベランダでしました」
「響也ってば……!」
コーヒーを吹き出しそうな冬馬を横目に
響也は軽く指先を噛んだ。
思い出してる――。
物思いにふける時の昔からの癖だ。
「その度にイクのか?」
「おい!真昼間の学食だぞ?」
弟が頭を抱えるも
研究者の探究心は留まる事を知らなかった。
「知りたいですか?」
「もちろん」
テーブルの下
誘い込むような手つきで響也は僕の手を握ると――。
最初のコメントを投稿しよう!