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「毎回イキます。汐里は前と――後ろでも必ず。僕は毎回汐里の中でイキます」
まったく涼しい顔して――。
サンドウィッチが逆流しそうな
生々しい回答を投げつける。
一気に体温が上昇した。
それは僕だけではないらしかった。
「このままじゃ弟に手を出してしまいそうで怖いと――家に来て悩んでたのはほんの数か月前だぞ?」
「そうでしたか」
冬馬がネクタイを軽く緩めると
「ああ。たしかに――汐里と一度でも寝られたら、自分の身を俺らに捧げてもいいって泣いたよな?」
「僕がそんなことを?」
由莉も手で顔を仰いだ。
「友よ、僕は時々ひどく感傷的になるんだ。許してくれ」
響也が芝居がかった調子で
あっけらかんとそう言うと
「おまえもおまえだぞ、子鼠」
「ええっ……?」
「そうだ。おまえもおまえだよ」
響也を攻め立てていた兄弟の矛先は
いつの間にか今度は僕に向かった。
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