第10章

8/26
前へ
/26ページ
次へ
「家に来たばかりの頃はキスさえまだのネンネだったくせに」 ちょんちょんと僕の頬に触れ 懐かしむように冬馬がぼやく。 「ホントさ――初めてヤラれたその日に開花しちゃうなんてね」 悔しそうに唇を尖らす由莉に 「ね。初めての日にメスイキした」 追い打ちをかけるように 響也が洩らした。 「ちょっ……!そんなことまでっ……」 さすがに聞いていられなくなって 僕は真っ赤になり俯いた。 「だって――僕らの間にはもう隠し事はいらないんじゃないの?」 少し冷めた口調で 言ったのは響也だった。 「汐里――おまえがそう望んだろ?」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加