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「あ……」
涙が出るのと同時に、体の中に何か侵入してくる。
右手の人差し指、それは見ないでもわかった。
ペンだこと、節くれだった指の関節を体の内側がとらえる。
「やぁ、うっ……」
中を無慈悲に弄ばれながらも、その指が愛おしかった。
むしろ、ペンを握るべき手にそんなことをさせているかと思うと、そこに抗いがたいエクスタシーを感じる。布団に突いているひざが震えた。
人差し指が一旦抜かれ、今度は二本に増やした指が入ってくる。
「ああっ」
二本の指は別々に動き、隆一を翻弄する。
半分引き抜いてはまた中に埋め、指はどんどん深くなった。
お腹の中が燃えるように熱い。
「力抜かないと次、苦しいよ」
「え――…」
二本の指が左右に開き、入り口を押し広げた。その拍子に、中から蜜がこぼれだす。
「嘘、こんな……」
太腿の内側を、生暖かい液体が伝っていった。
それで隆一は、自分の体が本当に受け入れる側なんだということを理解する。
「驚いた? 君の体は、僕を欲しがっている」
指を引き抜き、夏目がわずかにうわずった声で言った。
「……そろそろいけるんじゃないかな」
布団の上に、仰向けに寝かされる。
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