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それでもまだ激しい快感の波が押し寄せてくる。友一は剣上の背中に縋りついた。
「うっ……友……」
低い呻き声とともに、剣上が友一の体の奥深くへ射精した。
愛する人の欲望の証を最奥で受け止めた友一は、もう愛液は出しつくしてしまったというのに、またイッてしまった。
狭い車の中で二人は抱き合い、快楽の余韻のひとときを共有していた。
「……先生」
声がひどく掠れているのがなんとも恥ずかしい。
「ん……? なに? 友」
先生の声も掠れてる……。でもそれがまた色っぽくて、かっこいい……。
「オレ、これから花火見る度、今夜のこと思い出して恥ずかしくなっちゃいそうだよ」
「ああ……、そういえばオレは花火、まったく見てなかったな。友のことだけ見てたから」
「…………」
剣上は友一を見おろすと、楽しそうに笑った。
「友、おまえ、真っ赤だぞ。まったくいつまで経ってもウブだな。そのくせ、してるときは、やたらと淫
らになるくせに」
「ななな」
なんて恥ずかしいことを口に出して言うのだろう。……大人の男の余裕ってやつなら、ちょっと悔しい。
友一がちっぴり拗ねた気持ちでソッポを向くと、彼が首筋にチュッとキスをくれた。
リクライニングシートを元に戻し、服を整えると、剣上は車をスタートさせた。
聞こえていた花火の音が徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなる。
「なあ、友、また来年、来ような」
「……それは花火を見るため? それともエッチなことするため?」
「両方」
剣上は端整な顔に色っぽい表情をのせて、そう言った。
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