第一話

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 それでもまだ激しい快感の波が押し寄せてくる。友一は剣上の背中に縋りついた。 「うっ……友……」  低い呻き声とともに、剣上が友一の体の奥深くへ射精した。  愛する人の欲望の証を最奥で受け止めた友一は、もう愛液は出しつくしてしまったというのに、またイッてしまった。 狭い車の中で二人は抱き合い、快楽の余韻のひとときを共有していた。 「……先生」  声がひどく掠れているのがなんとも恥ずかしい。 「ん……? なに? 友」  先生の声も掠れてる……。でもそれがまた色っぽくて、かっこいい……。 「オレ、これから花火見る度、今夜のこと思い出して恥ずかしくなっちゃいそうだよ」 「ああ……、そういえばオレは花火、まったく見てなかったな。友のことだけ見てたから」 「…………」  剣上は友一を見おろすと、楽しそうに笑った。 「友、おまえ、真っ赤だぞ。まったくいつまで経ってもウブだな。そのくせ、してるときは、やたらと淫 らになるくせに」 「ななな」  なんて恥ずかしいことを口に出して言うのだろう。……大人の男の余裕ってやつなら、ちょっと悔しい。  友一がちっぴり拗ねた気持ちでソッポを向くと、彼が首筋にチュッとキスをくれた。  リクライニングシートを元に戻し、服を整えると、剣上は車をスタートさせた。  聞こえていた花火の音が徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなる。 「なあ、友、また来年、来ような」 「……それは花火を見るため? それともエッチなことするため?」 「両方」  剣上は端整な顔に色っぽい表情をのせて、そう言った。
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