第一話

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 花火大会が行われる広場の近くにある駐車場に車をとめると、二人は仲良く肩を並べて広場のほうへ向かう。  剣上が言った通り、それほど規模は大きくなさそうだが、人は予想以上に多かった。  花火がよく見えるベストポイントに近づくごとに人は増えていく。 「友、はぐれるなよ」  剣上がその言葉とともに友一の手を握ってくれた。  そのまま手を繋いで歩きだす。 「いいの? 先生、遠いからって知り合いが来てないとは限らないよ?」  剣上の少しひんやりとした大きな手をギュッと握り返しながら、友一が言うと、 「そのときは見せつけてやればいいさ」  彼はその端整な顔を微笑ませる。  普段学校で絶対に見せない優しい表情は、友一だけの独占物だ。
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