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「そうだよねー、オレたちって結構お似合いのカップルだよね。学校一のイケメン教師と――」
友一の言葉の続きを剣上がさらう。
「美貌の王子様のカップルだからな」
クスクスと笑い合ったとき、最初の花火が上がった。
さすがにベストポイントだけあって、よく見える。
間近で見る花火はとても迫力があり、綺麗だった。花火が開くときの、ドン、という音がおなかに響く。
剣上と友一は手を繋ぎ合ったまま、次から次へと打ち上げられる花火に見入っていた。
と、不意に友一は、太ももの辺りに違和感を覚えた。
剣上がいる左側とは反対側の太ももに、人の手が触れているのを感じるのだ。
え? ま、まさか、触られてる?
う、ううん。こんなにたくさんの人だもん。偶然ちょっと当たっているだけだよね……。
そう思いながらも友一が横目で右隣を盗み見ると、中年の男性がぴったりと密着して立っている。むき出しの腕がねっとりと汗ばんでいて、気持ち悪かった。
そうこうしているうちにも太ももに触れていた手が、お尻のほうへと移動してくる。
気のせいでも人混みのせいでもなく、明らかに触られているのが分かった。
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