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30分以内に釣り上げたハマチは、全部持って帰れる。その日もお父ちゃんに連れて行ってもらい僕は出かけた。入り口のおっちゃんに600円払って釣り竿とバケツもらって、いけすに近づいた。お父ちゃんの黒縁めがねの奥の眼がきらっと光った(ように見えた)「さあ、ハマッちゃん、かかってや~。賢いハマッちゃんかかってや~。」とお父ちゃんは、戦闘態勢に入っている。僕も負けずに戦闘態勢に。
「ハマッちゃん、かかってや~。お父ちゃんとこより、僕とこかかってや~。」しばらくしてお父ちゃんが、釣り上げた。「どうや、お母ちゃん喜ぶで~。」
30分やってお父ちゃん1本、僕は無し。そんなに簡単にハマチはかからない。ハマチも賢いのだ。帰ってその日の晩ご飯。ハマチの刺身を前にして普通のお父ちゃんやったら「ハマチは、出世魚やから、たけひろもハマチに負けんぐらい賢くならなあかんぞ」とか言うけど、うちのお父ちゃんのありがたいお言葉。「これハマチやなくてメバチマグロやったらもっとええのになぁ~。」さすが、僕のお父ちゃんや~。 第6話終わり
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